患者さんが安心して内視鏡検査を受けられるよう、「質が高く、苦痛の少ない内視鏡検査」を追求し、専門医の豊富な経験と最新の医療機器を駆使した検査体制を整えています。 胃カメラや大腸カメラをはじめ、最先端の内視鏡治療であるESD治療にも対応し、がん診療においても高度な医療を提供しています。 

内視鏡の診療実績

年々増加する受検者数

 2020年には新型コロナウイルス感染症の影響もあり、合計785件にとどまりましたが、2021年以降は徐々に回復し、2023年には1,000件を超え、2024年には1,200件を上回るまで増加しました。これは、患者さんの検査ニーズの高まりや、早期発見・早期治療の重要性が広く認識され始めたことが大きな要因と考えられます。

検査医のご紹介

副院長 古畑 司(ふるはた つかさ)

 内視鏡専門医として、「苦痛の少ない内視鏡検査」と「的確な診断・治療」に尽力しています。患者様お一人おひとりに寄り添い、安心して検査や治療を受けていただけるよう、最新の知見と技術を積極的に取り入れ、質の高い内視鏡診療を提供します。

保有する資格:総合内科専門医、内視鏡専門医、消化器病専門医、肝臓専門医

古畑 悦子(ふるはた えつこ)

 患者様が安心して検査を受けられるよう、女性ならではのきめ細やかな配慮とコミュニケーションを大切にしております。初めての方や検査に抵抗がある方も、お気軽にご相談ください。皆様の健康をしっかり支えられるよう、真摯に取り組んでまいります。

保有する資格:総合内科専門医、内視鏡専門医、消化器病専門医

当院の内視鏡検査の特徴

  1. 豊富な実績と専門性
     日本消化器内視鏡学会所属の熟練した内視鏡専門医が検査を担当し、これまでに3万件以上の内視鏡検査を施行してまいりました。これは、一般的な内視鏡医の約30年分の検査数に相当します。経験に裏打ちされた高い技術と豊富な知見を駆使し、より正確で質の高い内視鏡診断・治療を行っています。
  2. Quality(品質)の追求
     がん診療にも携わってきた内視鏡専門医が在籍しており、大病院にも劣らない精密な検査・診断を実施しています。特に、ESDを中心とした内視鏡治療に力を入れており、外科手術を回避しながら患者様の身体的負担を最小限に抑えることを常に目指しています。
  3. 安全性で苦痛の少ない内視鏡検査
     検査前の下剤服用後に排便が不十分な場合や腹痛などがある場合には、CT・レントゲン検査を併用し、安全を最優先に考えた体制を徹底しています。また、静脈麻酔下での内視鏡検査により、検査中はウトウトと眠っているような状態で嘔吐反射や痛みを大幅に軽減できます。さらに、院内には入院設備があるため、大きなポリープ切除や消化管出血後の安静が必要な場面でも、迅速かつ適切な対応が可能です。
  4. 迅速な検査予約
     一般的な施設より早めに日程を確保できるよう努めており、胃カメラであれば当日の検査も可能です。また、大腸カメラは1〜2週間以内の予約に対応しており、土曜日にも検査を行っています。お忙しい方でもスケジュール調整がしやすく、無理なく受診していただけます。
  5. 個室でゆっくり受けられる安心環境
     プライバシーに配慮したトイレ付の個室(別途3,300円)でゆったりと検査を受けることも可能です。検査前後は個室でお過ごしいただけるため、人目を気にせず落ち着いた環境でリラックスしていただけます。特に大腸検査では、術前準備から術後の安静までを個室で行えるため、快適な状態で検査を受けられると好評です。

こんなときは胃カメラ

 下記のような症状やリスクファクターに当てはまる方は、胃カメラ検査をおすすめします。

症状・状況想定される主な疾患
吐血・黒色便がある胃・十二指腸潰瘍、胃がん、食道がん
胸やけや喉の通りが悪い逆流性食道炎、食道がん
みぞおちの痛みや空腹時・食後の痛みがある胃炎、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎
体重減少が気になる胃がん、食道がん
腫瘍マーカーの上昇を指摘された胃がん、食道がん
家族に胃がんの既往がある慢性胃炎、胃がん
お酒をたくさん飲む(特に赤くなる人)食道がん
タバコを吸う方食道がん
慢性胃炎・ピロリ菌がいると指摘された胃がん、食道がん

こんなときは大腸カメラ

下記のような症状やリスクファクターに当てはまる方は、大腸カメラ検査をおすすめします。

症状・状況想定される主な疾患
血便を認めた痔、大腸ポリープ、炎症性腸疾患、大腸がん
便秘である大腸がん
体重減少を認める炎症性腸疾患、大腸がん
腫瘍マーカーの上昇を指摘された大腸がん、大腸ポリープ
血縁者に大腸がんの方がいる大腸がん、大腸ポリープ
腹痛を認める大腸がん、炎症性腸疾患
下痢が改善しない炎症性腸疾患、腸炎

内視鏡検診について

 内視鏡検診は、症状がない段階で食道がん・胃がん・大腸がんなどを早期に発見し、できるだけ身体的負担を抑えた治療につなげることを目的としています。症状のない方を対象とした自費診療のため、保険診療とは異なる料金体系となります。

 「健康診断や人間ドックで胃カメラや大腸カメラを受けたいけれど、希望の日程がなかなか取れない」「検査当日にポリープが見つかったら、そのまま切除をしてほしい」という方におすすめの検査です。

 当日は鎮静剤を使った楽な検査も可能で、必要に応じて院内でポリープ切除を行い、その後の経過観察やアフターフォローも万全にサポートいたします。不安や疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。

麻酔下での内視鏡検査について

 静脈麻酔を用いて、寝ている間に内視鏡検査を行う方法です。麻酔を用いることで、嘔吐反射、痛みや不快感を最小限に抑え、患者様の身体的・精神的な負担を軽減します。検査後は、麻酔の影響により眠気やふらつきが残る場合があるため、1〜2時間ほど院内での待機が必要です。

こんな方におすすめ

  • 嘔吐反射や痛みが心配な方:麻酔下で実施することで、不快感を大幅に軽減できます。
  • 検査が初めてで不安な方:寝ている間に検査が終わるため、緊張感や痛みの心配が少なくなります。

ご注意

  • 検査後の待機:麻酔が完全に醒めるまで、1〜2時間ほど院内で安静にしていただきます。
  • 当日の車の運転:麻酔の影響が残る可能性があるため、検査当日は車の運転をお控えください。

 麻酔下での内視鏡検査は、「痛みや不快感をできるだけ避けたい」という方にとって有用な選択肢です。少しでも気になる症状やご不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

検査費用について

外来での検査料金のご案内費用(3割負担)
初診料2,000〜5,000円
胃カメラ(観察のみ)5,000〜7,000円
大腸内視鏡(観察のみ)5,000〜7,000円
生検(追加費用)※15,000〜12,000円
外来での大腸ポリープ切除術20,000〜40,000円
麻酔1,000〜3,000円
合計7,000〜15,000円
  • 1割負担の場合は、上記の3分の1程度でお考えください。
  • 検査後にお薬を処方する場合がありますので、2万円程度ご用意ください。
  • 保険診療の場合、全国一律の金額となります。
  • 状況により費用がことなる場合がございます。ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

検査予約について

  • 検査を受けるかお悩みの方
     まずは消化器内科を受診し、検査が必要かどうか、医師とご相談のうえで適応があれば、検査日程を調整いたします。
  • WEB予約
     WEB予約より24時間受付しております。
    *大腸カメラのWEB予約は、まず外来で診察を受けていただいた後、検査日程を予約する流れとなります。
  • 電話予約をご希望の方
     受付時間:月~土 8:30~17:30
     お電話での予約も可能です。混雑状況によっては、日程のご相談をさせていただく場合がございます。
  • 胃カメラの当日検査をご希望の方
    • 前日22時以降は禁飲食(透明な水のみ可)
    • 朝食を摂らずにご来院いただければ、当日の検査に対応できる場合があります。
    • 当日WEB予約をされても、事前予約の患者様が優先となりますので、診療の空き時間に検査を行う形となります。日程やお時間に余裕がない場合は、あらかじめお電話や事前受診による予約をおすすめいたします。
  • 世田谷区胃がん検診をご希望の方
     世田谷区胃がん検診のページをご確認ください。
  • 大腸カメラをご希望のかた

 大腸カメラの検査は、まず外来で診察を受けていただいた後、検査日程を予約する流れとなります。初診や問診の内容に応じて最適な検査方法や準備を確認し、安全かつ正確な検査を行うための対応です。ご理解のほどお願いいたします。

検査の所要時間について

検査種類検査時間(個人差あり)
胃カメラ約5~10分程度
大腸カメラ約20~30分程度
  • 麻酔を使用しない場合
    検査時間以外の待機はほとんどありません。検査後、すぐにお帰りいただけます。
  • 麻酔を使用する場合
    検査後は、麻酔の影響で眠気やふらつきが残る可能性があるため、約1時間ほど院内で安静にしていただきます。車の運転は避けていただき、公共交通機関やご家族の送迎を利用されることをおすすめします。

Q&A(よくあるご質問)

Q1. 麻酔を使った検査はどんなメリットがありますか?

  • 苦痛や不快感を大幅に軽減できる点が最大のメリットです。
  • ウトウトと眠っている間に検査が終わるため、嘔吐反射や痛みへの不安が少なくなります。
  • 検査後は、麻酔の影響で眠気やふらつきが残る場合があるため、1~2時間ほど院内で安静にしていただきます。
  • 当日の車や自転車の運転はお控えください。

Q2. どのくらいの頻度で内視鏡検査を受けるべきですか?

  • 一般的には 1~2年に1回、症状やリスクファクターに応じて受けることが推奨される場合が多いです。
  • 家族歴(胃がん・大腸がんのある方など)やピロリ菌感染、慢性胃炎、ポリープの既往歴などがある方は、医師と相談のうえ、検査間隔を短く設定する場合があります。

Q3. ポリープが見つかった場合、その場で切除できますか?

  • 原則として 10mm以下のポリープであれば、外来で 日帰り切除が可能です。
  • 大きさや形状、部位によっては 入院や 別日での対応が必要になる場合があります。
  • 切除後は 出血リスクなどを考慮し、しばらく安静や飲酒・運動の制限をお願いすることがあります。

Q4. 内視鏡検査後の食事や運動制限はありますか?

  • 胃カメラ検査のみの場合、検査後1〜2時間ほどで軽めの食事が可能です。
  • 大腸カメラ検査の場合、検査中に使用する空気やガスの影響でお腹に張りを感じることがありますが、落ち着いてから普段の食事に戻せます。
  • ポリープ切除などの治療を行った場合、3〜14日間ほど飲酒や激しい運動を控えていただきます。詳細はスタッフよりご説明いたします。

Q5. 世田谷区胃がん検診について詳しく知りたいのですが?

  • 世田谷区在住の方は、世田谷区胃がん検診をご参照ください。
  • 区検診の予約方法や対象年齢などを事前にご確認いただき、不明点は当院または区の窓口へお問い合わせください。

Q6. 予約方法を教えて下さい。

  • WEB予約は24時間受付しております。
  • 電話予約は月~土の8:30~17:30まで対応しています。
  • 胃カメラ検査は、当日の朝食抜き・前日22時以降禁飲食などの条件を満たせば、当日対応できる場合があります。ただし、事前予約の患者様が優先となりますので、日程やお時間に余裕がない方は、あらかじめご予約をおすすめいたします。

Q7. 朝食はぬいてきたほうがいいですか?

  • お腹の症状のある方は、朝食をぬいて来院されたほうが、採血やCT、超音波検査もより正確に評価することができます。
  • 糖尿病で血糖を下げる薬を内服しているかたは、朝の内服をひかえていただき、必ず主治医や担当医と事前にご相談ください。透明な水は200-300ml程度であれば摂取して構いません。低血糖症状の予防のために飴をなめる程度であれば問題ありません。

Q8. 大腸カメラは当日でもできますか?

 大腸カメラは、前日からの食事管理やポリープ切除後の安静が必要となるため、原則としてまず外来診察を受けてから、検査日程を予約する流れとなります。

Q9. 内視鏡検診は行っていますか?

 はい、当院では症状がない段階で消化器系の病気を早期発見し、身体的負担を抑えた治療へつなげることを目的とした「内視鏡検診」を行っています。自費診療のため保険外となりますが、健康診断や人間ドックで胃・大腸カメラの予約が取りづらい方、ポリープが見つかった際にそのまま切除を希望される方におすすめです。鎮静剤の使用や個室対応など、患者様の負担と不安を軽減できる体制を整えておりますので、気になる症状やご相談がある方はぜひお問い合わせください。

上記以外のご不明点やご相談がございましたら、遠慮なくスタッフまでお声がけください。安心して検査を受けていただけるよう、丁寧にサポートいたします。

最後に

 古畑病院では、「患者様の負担を最小限に」「質の高い内視鏡検査を提供する」ことを最優先に考え、胃カメラ・大腸カメラによる無痛内視鏡検査とESD治療の技術向上、さらには院内環境の充実に力を注いでいます。早期発見・早期治療を実現するための最新機器と専門医チームを整備し、皆様の健康を全力でサポートいたします。少しでも気になる症状や不調がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

オリンパス最上位機種「EVIS X1」

古畑病院では、オリンパス社製の最上位機種である「EVIS X1」を導入しました。「EVIS X1」には、 NBI(Narrow Band Imaging)、TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)、RDI(Red Dichromatic Imaging)、EDOF(Extended Depth of Field)など、新時代を切り開く新たなテクノロジーが詰まっています。
検査効率の向上を目指したさまざまな技術を搭載することで、がんなどの消化器疾患を早期発見・早期診断、そして低侵襲に治療することに役立ちます。

検査効率向上を目指した新機能を搭載「EVIS X1」の特長

Red Dichromatic Imaging:RDI

光デジタル技術で深部組織のコントラストを形成する機能です。3色(緑・アンバー・赤)の狭帯域光を照射させてヘモグロビン吸収率や反射率の違いにより従来の内視鏡システムでは難しい深部血管などの視認性が向上しました。また、消化管の出血で視野が妨げられた場合も、迅速な止血処置ができるので安全に効率よく短時間で検査を行うことができます。


Texture and Color Enhancement Imaging:TXI


通常観察では発見することが難しいような色調や構造の変化も強調して映し出すことで、観察性能の向上が可能となりました。TXIは、「明るさ補正」「テクスチャ―(構造)強調」「色調強調」を最適化させて、スクリーニング検査に技術革新をおこすと期待されている機能です。


Narrow Band Imaging:NBI

NBIは、オリンパス社独自の光デジタル法で粘膜表層の毛細血管や微細構造を強調表示することができる機能です。血液中のヘモグロビンに吸収される特定の波長の光を照射して、周辺粘膜や血管のコントラストを強調します。
がんは、血管から栄養補給を必要とするため、病変近くの粘膜は多くの血管が集待っていると考えられています。NBIの機能を用いて粘膜内の血管をより鮮明に映し出すことで、早期のがんも見逃しなく発見が可能となります。

【新世代内視鏡】

【GIF-XZ1200】胃カメラスコープ

主な特長

1.最大125倍の高倍率化と、高感度CMOSイメージセンサー採用による高画質の実現
がんなどの病変は早期に発見された場合、低侵襲治療を行うことができ、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)の向上に寄与します。早期胃癌は、発見が難しい微細な変化のため、拡大観察が一助となります.GIF-XZ1200は最大拡大倍率125倍の光学ズームを搭載し、対象病変を高倍率で観察することが可能です。これにより、さらに微細な粘膜模様や血管走行の観察のサポートを実現しました。また、高感度CMOSイメージセンサーを採用しているため、ノイズが少なくハイビジョンを上回る高画質(HQ画質)で観察することができ、さらに質の高い拡大診断をサポートします。

2.高速面順次の採用により、色ずれが少なく、よりなめらかな画像取得を実現
本製品の撮像方式は高速面順次を採用しています。毎秒120回の高速点灯により、3色の光が切り替わる際に生じる色ずれ※5を軽減させ、よりなめらかで高品質な画像取得を実現します。
※5 点灯する光の色が切り替わる際に起こる現象で、画像内で色がちらついて見えること。

GIF-1200N】胃カメラスコープ

主な特徴

1. 細いのに高画質(高画質・極細径内視鏡)
近年、内視鏡検査における挿入時の苦痛軽減のため、鼻からの挿入も可能な極細径内視鏡の需要が高まっています。 GIF-1200Nは、次世代内視鏡システム『EVIS-X1』と組み合わせることで、従来の経鼻内視鏡の弱点である低画質が改善され、精彩なハイビジョン画像の取得ができ、診断能も向上しました。

経鼻内視鏡 検査時間 画質 拡大機能 診断能
新型
(GIF-1200N)
10分 ☆☆ × ☆☆
旧型
(GIF-XP290N)
10分 ×

☆:良い、★:悪い、◯:あり、×:なし

2.新開発CMOSイメージセンサーによる,低ノイズハイビジョン画質の実現
GIF-1200Nは、面順次式の新型CMOSイメージセンサーを極細径内視鏡として世界で初めて採用し、ノイズの少ないハイビジョン画質を実現しました。また、新たな照明光学系の採用により、管腔などの奥行きのあるシーンにおいて中遠景の明るさが向上し、視認性が良くなりました。