肛門外科外来

【肛門外科】

肛門外科で診療する主な疾患として、痔核(イボ痔)、痔瘻(じろう)、裂肛(切れ痔)などがあります。症状としては出血、痛み、肛門の痒み、残便感などがありますが、症状の気になる方はどうぞお気軽にご相談ください。

* 治療方法:保存的療法や手術療法、およびその中間的な治療法など

【肛門外科外来・痔について】

痔の治療のために痔には大きく分けて3つのタイプがあります。


【 痔核(いぼ痔)】

 痔核(いぼ痔):痔の中で最も多く、男女とも半数を占めます
 内痔核:直腸側のクッションが大きくなったもの
 外痔核:肛門部分のクッションが大きくなったもの

*原 因
いきみの繰り返し、便秘、激しい下痢、重いものを持つなど肛門に負担がかかり、クッション部分が大きくなるためにおこります。

*症 状
排便時の出血、残便感。肛門から痔核が外に出てくる。

*治 療
症状に合わせて、軟膏をぬったり手術を行います。まずは一度専門医に相談してみましょう。

【 痔ろう(あな痔)】

痔ろう(あな痔):男性に多い痔です

*原 因
ストレスやアルコールの摂取などによる下痢が原因と考えられています。

*症 状
肛門周囲膿瘍の場合、38~39度の発熱、激しい痛み、腫れが見られます。 痔瘻は膿が出て、下着が汚れてしまいます。膿の出口がふさがり、また膿がたまると肛門周囲膿瘍と同様の症状になります。

*治 療
貼れている部分を切開し、膿を出します。(入院は必要ありません)抗生物質や痛みどめなどの内服・外用療法を行います。炎症が治まったら症状に合わせて根治手術を行う場合があります。

【 裂肛(切れ痔)】

裂肛(切れ痔):女性に多い痔です。とくに20~40歳代に多く見られます
*原 因
便秘などによる固い便の排せつや、勢いのよくでる下痢などにより、肛門の皮膚が切れてしまいます。

*症 状
出血は少量で、排便後もしばらく続く痛みが残ります。慢性化すると潰瘍になって肛門が狭くなってしまうこともあります。

*治 療
原因となる便秘や下痢を防ぎ、傷を治す保存療法が基本です。

*具体的な治療法
痔の治療の基本は保存療法(ライフスタイルの改善と補助的な薬物療法)です。痔核の患者さんの1~2割のみ手術を行います。

【日常生活でのポイント】

*排便のポイント
①便意を感じた時に排便する
我慢は便秘をまねきます。
②排便時間は長くて3分以内にする
完全に出し切ろうとして必要以上にいきまないようにしましょう。
③排便後は肛門を洗うなどして清潔に(十分に乾燥を)
ただし、おしりの洗いすぎはかえって肛門に負担をかけるので気をつけましょう。
④排便時の姿勢
肘を太ももに乗せ、20度かかとを上げ、肛門ではなく腹筋に力を入れましょう。
やや前かがみの姿勢になることで、直腸がまっすぐの状態になり、便が出やすくなります。肛門に力を入れると切れ痔の原因になります。

*食事のポイント

①食物繊維をしっかりとる
食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして軟らかくし、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を高めます。ただし、下痢気味の方は消化のよい食事をとりましょう。 大根・人参・キャベツ・ブロッコリーなどが食物繊維が豊富です。ヨーグルトも腸内細菌を整えるのでお勧めです。
食事でとるのが難しい場合は、水溶性食物繊維入り飲料を取るのも一つの方法です。
②十分な水分を摂取する
1日2~2.5リットルぐらいの水分摂取が理想です。こまめな水分摂取は、便秘解消や、便を軟らかくすることにつながります。
③朝食をしっかりとる
食事は胃腸の活動を活発にして便意を起こさせます。朝、時間がない時は、冷たい水や牛乳を飲むだけでも効果があります。
④アルコール類、香辛料を控える
肛門を刺激したり、うっ血させたりして、痔を悪化させます。

*その他のポイント

①適度な運動をする
腸の動きを活発にし、排便をスムーズにします。ただし、過度な運動は、いきんだ時に肛門に負担をかけるのでよくありません。 ②同じ姿勢をとり続けない
肛門がうっ血しやすくなります。立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事をしている方は、ときどき軽く体操をして血行をよくしましょう。
③毎日入浴する、腰やおしりをカイロで温める
冷えは血行が悪くなるばかりでなく、下痢の原因にもなります。スポンジなどでごしごしこするのはやめ、洗面器のお湯に肛門を浸すようにゆっくりと洗いましょう。入浴後は肛門の水分をよく拭き取りましょう。
ただし、痔の症状によっては、温めると悪化することがあります。
④肛門体操で括約筋を鍛えて症状を改善させましょう
排便後 肛門を5秒間縮めて、3秒間緩める。※4~5セット行なう。
括約筋の動きをよくして肛門の血行を促進する体操です。

*薬物療法
痔の薬には、外用薬と内服薬があります。外用薬は病院で処置する注射薬と、自分で使用する軟膏・坐薬があります。軟膏と坐薬は痛み、はれ、出血を抑え、便をスムーズに出すための潤滑油の役割を果たします。